プログラム総合ディレクター中野ジェームズ修一インタビュー
中野ジェームズ修一
PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー
米国スポーツ医学会認定運動生理学士
(株)スポーツモチベーション 最高技術責任者
(社)フィジカルトレーナー協会(PTI)代表理事
エンコンパスとの出会いは?
1990年代にアメリカでトレーナーとしての勉強をしており、2000年代にはワイヤー系マシンを知りました。私が初めてエンコンパスを見たのが在米中。使ってみたのは日本への帰国後です。輸入代理店主催のトレーナー向け勉強会で乗った瞬間「これでしかできないトレーニングが絶対にある」と確信しました。
エンコンパスの魅力とは?
エンコンパスは「高齢者からアスリート、リハビリテーション施設に通う人まで、全ての現場で使える機能が凝縮されたマシンだ」と感じました。傾斜を変えるだけで、どんな運動レベルの人でも使える汎用性が特徴です。エンコンパスは動く台の上に乗ってトレーニングをするので、少しでも動きやタイミングがズレると、ワイヤーが弛んだり、バランスが取れなくなったりします。筋肉の連動性を“無意識のレベルで鍛えられる”のが魅力です。
実際にエンコンパスをどう活用してきましたか?
身体の特徴というのは、100人いたら100通りの違いがあります。私が指導するパーソナルジム「CLUB100」では、その人に合ったトレーニングプランを、何百通り、何千通りから組み合わせてメニューを作ります。身体のどの機能を向上させたいのか、どういう動作をさせたいのかに応じてメニューを作り、エンコンパスをフル活用しています。
世界のエンコンパス事情って、どんな感じですか?
アメリカでもスポーツジムに必ずしも置いてあるというわけではないのですが、理学療法施設や病院、ピラティススタジオなどには、かなりの確率で導入されています。ヨーロッパや中国では、エンコンパスを20台ほど並べたグループレッスンを行うスタジオもあります。
どのような方に使ってほしいですか?
日本人は世界的にみても極端にフィットネス人口が少ない国民なんです。諸外国、例えばスウェーデンではフィットネス人口が25%なのに対して、日本はたったの3%。さらに、日本人って世界で最も座っている時間が長い民族なんですよ。その上コロナ禍のテレワーク増大で、通勤すらしなくなった人が増えている。すると使わない身体の機能は、使わなくて済むようにどんどん変化していきます。つまり多くの人が座るのに必要な筋肉だけを残して、“座りやすい身体”になっていく。これって実はものすごく恐ろしいことで、将来に向けて歩けない、走れない、できないことだらけの身体になってしまうんです。だからこそ年齢、性別、運動の得意・不得意に関わらず、全ての方にエンコンパスを使ってほしいですね。
エンコンパスが目指す世界とは?
今まで運動をしてこなかった人が今さらスポーツジムに通うのは、敷居が高いもの。それなら街中にたくさんある歯医者や地域役場のような身近な場所で、普通にエンコンパスを利用できる環境を整えるのが理想です。運動が苦手な人でも「ラジオ体操くらいならできる」と思うように、全ての人が1日に5分でも10分でもいいから、毎日エンコンパスに乗る世界を夢見ています。
プログラムディレクターとしてどのようなプログラムを開発していきたいですか?
エンコンパスさえあれば、あらゆる人がパーソナライズされたトレーニングで、効率的に身体作りができるということを、まず多くの指導者に知ってもらいたい。そしてアスリートはもちろん、運動は嫌いだけど成果を上げたいという人の周りにもエンコンパスがあって、指導者がいて、ドラッグストアやコンビニと同じくらい身近にトライできる…そんなプログラムや環境、仕組みそのものを作っていきたいですね。